体外受精や顕微授精などの技術の進歩により、卵管閉塞や
ピックアップ障害などの卵管因子、
乏精子症などの男性不妊因子、その他受精障害など、
今まで妊娠を望めなかったケースでも妊娠が可能となりました。
その一方で、受精卵は得られているのにもかかわらず、複数回の体外受精治療を受けても妊娠できない、すなわち着床障害のケースが増えています。
着床とは
受精卵が細胞分裂を繰り返し子宮にたどり着くと、受け入れ態勢を整えていた子宮内膜の一箇所に付きます。
そして、徐々に潜り込んで絨毛(じゅうもう)と呼ばれる根を下ろし、母体としっかり結びつきます。このときにごく軽い痛みや少量の出血を伴うことがあります。
これは着床痛や着床出血と呼ばれ、全体の10〜20%程度の人が経験します。
この着床をもって妊娠の成立となります。
受精卵が子宮に着床すると、そのまま子宮内膜を保って着床状態を維持するために、黄体ホルモンの分泌を継続させるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が胎盤から分泌されます。
このhCGは血液中や体外へ排出される尿中にも含まれており、市販の妊娠検査薬などはこのhCG検出して妊娠の判定を行います。
黄体機能不全
卵が成熟して排卵すると、残った卵胞は黄体化してプロゲステロンという黄体ホルモンの分泌を始めます。このプロゲステロンの量が少ないと、子宮内膜は十分な厚さにならず、
受精しても着床しづらくなったりすることがあります。これを黄体機能不全といいます。
黄体ホルモンは体温を上昇させて妊娠を持続させるホルモンなので、黄体機能不全の方は、高温期が短い、高温期になるのに時間がかかる、途中で温度が一時的に下がるというような症状がでます。
高プロラクチン症や甲状腺機能異常、卵胞の発育障害が、黄体機能不全の原因と言われています。
黄体機能不全は程度にもよりますが、適切な治療により比較的早く改善して妊娠できることもあります。
治療法としては、黄体期(高温期)に黄体ホルモンを投与して補充します。他に漢方による周期療法があります。

☆高温期が9日以下と短い

☆血液検査 ☆基礎体温
子宮ポリープ・子宮筋腫
子宮内膜ポリープは、子宮内膜がエストロゲンの影響を受けて過剰に増殖するためにできる良性のポリープです。できる場所によっては受精卵の着床を妨げることがあり、
不妊の原因になることがあります。その場合は、子宮鏡ですぐに切除します。部位や数によってはそうはすることもあります。
女性の3割にあるといわれている子宮筋腫は、子宮の筋肉からできる良性のこぶです。ほかの臓器に転移することは、ほとんどありません。自覚症状が強ければ治療の
対象になります。筋腫のできている部位が妊娠を妨げると判断されたり、妊娠しても流産の危険性があるような場合には、筋腫だけをとる核出手術をします。

●ポリープ
☆ない場合もあり ☆月経過多 ☆不正出血
●子宮筋腫
☆月経過多 ☆月経痛

☆経膣超音波検査 ☆超音波検査
子宮内膜癒着
子宮内膜が癒着して閉鎖し、受精卵が着床しづらくなった状態です。癒着が起こる原因は、子宮内の炎症や流産などの手術で、子宮内部が傷ついた場合などが考えられます。
子宮鏡をつかって癒着をはがす癒着剥離手術を行います。

☆月経量が極端に少ない ☆月経期間が短い

☆子宮鏡検査
子宮奇形
子宮の形の先天的な異常を子宮奇形といいます。
奇形があるからといって、すべての場合に治療が必要ということはありませんが、たとえば子宮が2つある「重複子宮」や2つに分かれている「双角子宮」などは、人によっては妊娠しにくいこともあります。
子宮に形態的な異常が、習慣流産や不妊・早産・難産の原因になることがありますが、特別な問題を引き起こさないことのほうが多く、手術が必要となる奇形はそれほど多くありません。

☆なし

☆子宮鏡検査 ☆子宮卵管造影検査

